あなたがたのうちに、百匹の羊を持っている者がいたとする。その一匹がいなくなったら、九十九匹を野原に残しておいて、いなくなった一匹を見つけるまでは捜し歩かないであろうか。そして見つけたら、喜んでそれを自分の肩に乗せ、家に帰ってきて友人や隣り人を呼び集め、『わたしと一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから』と言うであろう。よく聞きなさい。
それと同じように、罪人がひとりでも悔い改めるなら、悔改めを必要としない九十九人の正しい人のためにもまさる大きいよろこびが、天にあるであろう。
<ルカによる福音書 15 章 4 ~ 7 節 口語訳聖書>
これは新約聖書でも有名な、迷える 1 匹の羊を探して救い出す羊飼いの話です。これは神さまと人間の関係を教える譬え話です。神はこのように私たちひとりびとりを大切にして下さるのです。
この譬えをめぐって日本人がよく質問するのは、迷子になった 1 匹の羊だけがどうしてそんなに大切なんだ、残りの行儀のいい 99 匹の羊のほうがよっぽど大切ではないのか、ということです。けれども、これは羊飼いと羊たちの関係がよくわかっていないからこそできる的外れな質問です。
たしかにビジネスライクに考えれば 今、流行りの言葉で「定量的」に考えれば 1 匹より 99 匹の価値が大きいに決まっています。羊飼いもそれくらいの算数を知らないわけではないでしょう。しかし、羊飼いにとっては、1匹1匹をしっかり守り、丹念に育て上げてきて、その上で、その 100 匹の群れが成り立っているのです。そのどれもが掛け替えのない 1 匹 1 匹なのであり、それが集まった100 匹の群れなのです。
「SMAP」は残念ながら解散してしまいましたが、彼らが「ナンバーワンよりオンリーワン」と歌って、槇原敬之さん作詞作曲の「世界 に一つだけの花」が大ヒット曲になったのは、2002 年のことでした。今月から「令和」の時代に入りましたが、「平成」の時代に最も歌われ歓迎された日本のポップスは なんとダントツで この曲だったと、発表されました。
「本当のオンリーワン」 2 へ続く