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 戸山幼稚園では「たてわり」を行っています。

 年長のゆり組さん、年中のさくら組さん、年少のちゅうりっぷ組さんを、たてわりにして、いくつかの「なかよしグループ」ができあがります。

 お兄さん、お姉さんに手をつないでもらって、ちゅうりっぷさんは、いろいろなことを自然に教わります。 

 世話する側もそのお世話で成長するのですが、世話してもらう側もお兄さんやお姉さんからいろいろ大切なことを学んでいるようだ、というのが、面白いところです。

 「たてわりの」の「なかよしグループ」の様子を見て、なるほど、そうだ、そうだ、と思わせられるのは、「ゆり」と「ちゅうりっぷ」の真ん中にいる「さくら」さんたちには、来年、ゆりさんになったら、ぼくも、わたしも、あのお兄さんやお姉さんのようにやってみよう!やりたいな~という、ゆりさんたちへの「あこがれ」が強くなるようだ、ということです。良い意味での「背伸び」が起こるのです。

 近隣の小学校の校長先生からのお便りには「最近、人との関わり方がわからない子が増えているようです」と書いてありました。

 私は一人っ子で育ちましたが、おうちで兄弟姉妹に囲まれて育つか、そうでないかは、この点で大きな差を生みだすのかも知れません。でも、戸山幼稚園のたてわり保育で「なかよしグループ」を経験すると、この壁は乗り越えられるようです。一人っ子でも、お兄さんやお姉さんから面倒を見てもらいますし、大きくなると、今度は自分がお兄さんやお姉さんになるのです。

 ですから、戸山幼稚園で育った子どもたちは、小学校に行っても、いろんな子どもたちとの「お付き合い」がうまくできているようです。幼稚園で「たてのかかわり」をたっぷりと経験してきたからなのですね。

*動物学者ローレンツは動物の行動の中に「刷り込みimprinting」ということを発見し、その大切さを強調しました。ごく簡単に言いますと、子どもは生まれた瞬間から親が自分に示してくれた愛情の行動をそのまま心に刷り込まれて、自分が親になった時にそれを繰り返すということです。佐渡のトキ保護センターから解き放たれた第一代目のトキたちは卵を産んでもうまく育てられませんでした。人工的に育てられたからです。でも、二代目のトキたちは直接親に産み育てられたので、野外に解き放たれても、うまく出産育児ができたのだと聞いております。

*この世に同じ人は一人もいません。皆、個性も性格も違います。そういう者たち同士で仲良く暮らしていかなければなりません。それができないことも手伝って、不登校や引きこもりになっている人もいます。幼児期に他の人との折り合いをつける術(すべ)を身に付けると、のちの人生でも「共生」することが苦でなくなってきます。